フリーランスとしてお仕事を始めた方の多くが、最初につまずくのが「確定申告」です。
聞いたことはあるけれど、何をどうすればいいのか分からないという方も多いですよね。
確定申告というのは、1年間の収入と支出をまとめて「自分の税金を自分で申告する」大切な手続きです。
難しそうに感じますが、流れを知って準備しておけば、それほど大変ではありません。
この記事では、はじめて確定申告をするフリーランスの方向けに、
「なぜ必要なのか」「どんな流れなのか」「どこでつまずきやすいか」などを、わかりやすく解説します。
目次
確定申告とは?フリーランスに必要な理由
会社員の方は、勤務先が給料から税金を天引きしてくれるため、ほとんどの人は確定申告をする必要がありません。
しかし、フリーランスは自分で収入を管理し、自分で税金を申告する立場になります。
つまり「税金の計算から提出までを自分で行う」という点が一番の違いです。
確定申告で扱う税金は主に次の3つです。
- 所得税
- 住民税
- 消費税(一定の売上を超えた場合)
これらをきちんと整理しておくことで、納めすぎを防いだり、控除を受けて税金を少なくできることもあります。
フリーランスにとって確定申告は、ただの義務ではなく「自分の仕事を見直すきっかけ」にもなります。
1年を通して「どの仕事が多かったか」「どんな経費が多いか」を知ることで、次の年の計画を立てやすくなります。
最初は難しく感じるかもしれませんが、毎年やっていくうちに自然と慣れていきます。
大切なのは「完璧にやろう」と気負わず、少しずつ覚えていくことです。
確定申告までの流れを簡単に整理(箇条書き)
確定申告と聞くと「どこから手をつければいいの?」と思いがちですが、実際には次のような流れで進みます。
手続きの流れ
- 領収書・請求書を集める
1年分の支出や売上の記録を整理します。レシートや通帳のコピーも役立ちます。 - 帳簿をつける
収入と支出をノートや会計ソフトにまとめます。最近は無料ソフトやクラウド型も多く、初心者でも使いやすいです。 - 必要書類をそろえる
マイナンバーカード、通帳、源泉徴収票(もらっていれば)など、申告に必要な資料を準備します。 - 申告書を作成する
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」や、e-Taxを使えばオンラインでも提出できます。 - 税金を納める
申告後、納付期限までに支払いを行います。口座振替やスマホ決済も使えます。
この流れを知っておくだけでも、全体像が見えて安心です。
とくに帳簿づけを後回しにすると大変なので、日々の記録をコツコツ残すことが一番の近道です。
青色申告と白色申告の違いをやさしく解説
確定申告には「白色申告」と「青色申告」の2種類があります。どちらも税金の申告方法ですが、青色申告には特別な控除や優遇があるのが特徴です。
たとえば、青色申告をすると最大65万円の控除が受けられたり、赤字を翌年以降に繰り越すことができます。
これは「正確な帳簿をつけている人にはごほうびをあげます」という仕組みです。
青色申告を受ける場合は、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出しておく必要があります。申請を行わないと青色申告の特典である各種控除や赤字の繰越などの優遇は受けられません。
一方、白色申告は帳簿のルールがゆるく、初めての方でも始めやすい方法です。
ただし控除が少ないため、将来的にしっかり経費を管理していくなら青色申告がおすすめです。
最初の年は白色申告で流れをつかみ、翌年から青色に切り替える人も多くいます。
自分のペースでステップアップしていけば大丈夫です。
よくあるミスと注意したいポイント
フリーランスの方がはじめて確定申告をするとき、よくあるミスをいくつか紹介します。
- 領収書をなくしてしまう
経費を証明できないと、税金を多く払うことになることも。小さな封筒に月ごとに分けて保管すると安心です。 - 経費を忘れる
交通費や通信費、文房具代など、仕事で使ったものは経費になります。「自分のお金だから…」と気にせず、仕事用とプライベートを分けて管理しましょう。 - 期限を過ぎてしまう
確定申告の提出期限(通常3月15日)を過ぎると、延滞税などがかかる場合があります。スケジュール帳に早めに書き込んでおくと安心です。
こうしたミスは、「気づいたときにすぐ直す」だけで防げます。完璧を目指すより、無理のないペースで準備を進めることが大切です。
困ったときはどうすればいい?
申告書を作っていると、「ここは経費に入れていいの?」「控除ってどう書くの?」と迷うことがあります。
そんなときは、一人で抱え込まずに専門家に相談するのがおすすめです。
税務署でも無料相談を行っていますし、会計ソフトのサポート窓口も親切です。
ただし、継続的にサポートしてもらいたい場合や、事業規模が大きくなってきた場合は、税理士に相談すると安心です。
専門家に依頼することで、時間の節約や、将来的な節税対策にもつながります。
うちの事務所でも、はじめて確定申告をされるフリーランスの方から多くご相談をいただいています。
「自分の場合はどうなるの?」という小さな疑問からでも大丈夫です。お気軽にご相談ください。
まとめ
フリーランスの確定申告は、最初こそ難しく感じますが、流れを知ればそれほど怖いものではありません。
日々の記録を残す・早めに準備する・わからないことは相談する、この3つを意識しておけば大丈夫です。
少しずつ慣れていくうちに、自分の仕事のお金の流れも自然とつかめていきます。
そしてそれが、次のステップへの大きな力になります。






