税務調査に入る理由を元マルサが徹底解説(個人事業主編)

個人事業主が税務調査に入る理由

税務調査にビビっている方はいらっしゃるかと思います。(税務署による調査の概要や目的も含まれます)

どのような人に税務調査が入るのかが気になるところですね。個人事業主の方や法人の経営者も対象になる可能性があります

そこで、今回は、個人事業主では、どのような方が税務調査に入るのかを解説していきたいと思います。

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税務署への相談や事前準備のポイントも紹介

目次

  • 1.税務調査の目的

    税務調査の目的とは、申告書の記載内容の確認です。税務署は、納税者の正しい納税を確認するために調査を行います

    つまり、申告書に書かれている内容が、正しいかどうかの確認をする作業なのです。不正や脱税の可能性がある場合には、税務署が詳細に確認します

    どんな取引をしていても、申告書さえ正しく書かれていれば、税務署からおとがめがあるということは、めったにありません。

    周りの人に、

    • あの人は、お金持ちそうだ。
    • あんないい車に乗っている。
    • あんないい家に住んでいる。

    などと言われても、申告書の記載内容が正しくて、納税がなされていれば、全く問題がないのです。

    逆に、あまり裕福な生活をしていなくても、収入をごまかしたり、申告書の内容をごまかしたりする方には、税務調査が入ることとなります。脱税や不正の疑いがある場合、税務署は調査を検討します

    個人事業主の方でも、税務調査に入られるリスクは十分にあるわけです。

    2.申告書のどのような記載が、税務調査に影響しますか

    個人事業主の方の作成する、所得税の申告書には、

    • 収入金額(いわゆる、売上高)
    • 所得金額(いわゆる、利益)
    • 必要経費の内容
    • 住所
    • 氏名
    • 税理士が関わっている場合、その税理士の氏名

    などが、書かれています。この、すべての項目が税務調査に影響します帳簿や書類の正確な作成も重要です

    3.収入金額と、税務調査との関係

    収入金額とは、売上高などの収入として受け取った金額のことです。

    あなたは、売上をどのように受け取っていますか。(現金・振込など受け取り方法も税務署は確認します)

    税務署は、銀行へ調査に行く権限があります。これを、質問検査権といいます。

    他の個人事業主や法人の税務調査の中で、いろいろな方の通帳を調べたり、請求書や領収書のコピーを取ったりしています。これを、資料情報の収集といいます。

    また、一般市民の方から、

    あの人は、こんなに収入があると思うよ

    と、いうような、投書や、ご意見を税務署がもらうこともあります。この情報も税務調査の対象になります

    そのように収集した情報から考えられる収入金額を、確定申告書の収入金額と、比較します。

    その結果として、収集した情報からみて、確定申告書における収入金額があまりに少ないのではないか、明らかに少ないのではないか。ということになると、税務調査に入るという決定がなされたりします。

    4.所得金額と、税務調査との関係

    所得金額とは、その人が一年間に稼ぎ出した利益です。個人事業主の収入や法人の利益も税務署は確認対象です

    人は、利益で生活をしております。利益が少なければ、生活が成り立たないです。

    税務署は、そういうところを、判断しています。

      • 所得金額が少ないのに、なんであんなに派手な生活ができるんだろう。
      • 所得金額が少ないのに、なんで、あんな大きな土地や建物を買うことができるんだろう。
      • 所得金額が少ないのに、なんで、あんなたくさんの家族を養うことができるんだろう。
      • 所得金額が少ないのに、なんで、あんなたくさんの定期預金や普通預金があるのだろう。

    そういう、所得金額とくらべて、生活内容や資産状況がおかしいと思うような方を、税務署は常に探しています。(不正や脱税の疑いがある場合は、税務署の調査対象になりやすいです)

    そういった情報も、一般の方に、広く求めています。いわゆる、投書です。

    5.必要経費の内容と、税務調査との関係

    必要経費とは、収入を得るために直接かかった費用のことです。

    必要経費は、実額で計算をします。また、税務署は、たくさんの申告書を取り扱っていますので、それぞれの業種の必要経費が、だいたいどれくらいかかるのかは、情報として持っています。

    そのような中で、必要経費について疑念を持たれるケースもあります。

    • 収支内訳書や青色申告決算書が添付されていない
    • 経費の項目がすべて1000円単位で書かれており、実額計算から考えるとありえない数字
    • 雑費という理由がよくわからない経費が多額
    • 外注費が業種に比べて多額で確認が必要
    • 棚卸しが必要な業種なのに棚卸し金額が0円

    こういった場合、税務署は税務調査をして確認したいと考えます

    6.住所・氏名・税理士との関係

    申告書に書いてある住所は重要です。帳簿や書類は申告書の住所で7年間保管が必要です。

    氏名は納税義務者としての確認ポイントです。税務署は立ち会いを求める場合があります

    税理士が申告書に関わっている場合は、税務署が初めに税理士に連絡を取り、税務署の質問が解決されることも多いです。税理士が関与すると調査対象になりにくい傾向があります

    7.まとめ

    個人事業主が税務調査を受けるかどうかは、申告書の記載内容が正しいかどうかがいちばん大切です。税務署に疑われない申告書を作成することが重要です。
    そのために、税理士と共同で申告書を作成することも検討してみてください。

    経営者や個人事業主向けの相談・支援サービスとしても有効です