税務調査は、税務署が会社や個人の申告内容を確認することです。申告方法には「青色申告」と「白色申告」があり、税務調査で扱いが少し違います。
目次
青色申告とは
青色申告は、複式簿記という方法でお金の出入りをきちんと記録して申告する方法です。複式簿記とは、「お金がどこから入ってきたか」と「どこに使ったか」を同時に記録する方法で、売上や経費、買ったものや借りたお金などを帳簿に書きます。
毎月どれだけお金が入ったか、使ったかをまとめて記録しておくと、税務署の人が来ても「こうやって管理しています」と説明しやすくなります。また、青色申告をしてきちんと帳簿をつけると、最大65万円の青色申告特別控除を受けられたり、家族に給料を払った分を経費として計算できるなど、所得を減らして税金を少なくできる仕組みがあります。ただし、青色申告の恩恵を受けるには、事前に「青色申告承認申請書」を税務署に提出して承認を受ける必要があります。
白色申告とは
白色申告は、帳簿や収支の記録が簡単で手軽に申告できる方法です。青色申告のような複式簿記で取引ごとに1行1行詳しく記録する必要はなく、白色申告では単式簿記で簡単に記録できます。
単式簿記とは、「お金が入ったか出たか」を1列で記録する方法です。帳簿には 日付・摘要(何の取引か)・金額 をセットで記録します。
例えば:
2025年
- 11/01 売上 5,000円 現金売上
- 11/02 水道光熱費 2,000円 電気代
- 11/03 消耗品費 1,500円 コピー用紙購入
飲食店や小売業などの現金売上の場合、個別の相手先が不明なことが多いため、1日分の合計で記載することができます。現金以外の取引でも、保存している納品書控・請求書控などで内容を確認できる場合は、日々の合計金額を記載できます。少額の仕入れや経費も1日の合計で記載可能です。
このように、摘要欄には取引内容がわかる簡単な説明を書き、日付・摘要・金額をセットで記録することで、帳簿だけでも取引の概要がわかり、税務調査でも落ち着いて対応できます。
帳簿の記録は簡単ですが、領収書や請求書などの証拠書類を整理して保管しておくことが大切です。白色申告は青色申告のような特別控除(65万円控除など)は受けられませんが、基礎控除や必要経費として計上できる項目はあります。手軽に申告できる一方、帳簿が簡単なため税務調査で質問されやすい点には注意が必要です。
帳簿の作成方法や細かい要件については、事業形態や取引内容によって異なる場合があります。不安な場合は税理士に相談するか、国税庁のホームページで最新の情報を確認することをお勧めします。
税務調査でのポイント
税務調査で大切なのは、青色申告でも白色申告でも、帳簿や領収書をきちんと整理しておくことです。
- 取引の日付・内容・金額をしっかり書き留めておく
- 領収書や請求書などの証拠になる書類を整理して保管しておく
こうして準備しておけば、税務署の方が確認に来ても、落ち着いて対応することができます。帳簿の書き方が青色か白色かで違いはありますが、基本は同じです。
結論
青色申告の場合は、帳簿作成が複雑で大変な分、控除などの特典が受けられ、帳簿もきちんとしているので、税務調査が比較的スムーズです。
白色申告の場合は、帳簿の作成が簡易的で、初心者でも簡単に対応できます。しかし、帳簿だけでは詳しい内容が分からず、税務署から細かく質問されることがあります。そのため、領収書や請求書などの証拠書類を整理しておくことが、落ち着いて対応するポイントです。
まとめると、申告の種類に関係なく、正しい記録と証拠書類の整理が何より大事ということです。






